歯科クリニックでは、痛い治療を受けたり他の人の歯を削る音が嫌いであることから、近寄りたくない存在と感じている人もいるでしょう。虫歯にならなければ歯科クリニックに行くこともないので、毎日食事の後にはしっかりと歯磨きを行うことも重要になってきますが、時間をかけて磨いたとしても磨き方が悪ければ部分的に食べかすを残してしまうことがあり、虫歯に発展してしまうこともあります。自分ではきちんと歯磨きをしていると思っていても、その判断は難しくなってきます。歯科クリニックでは、虫歯や歯周病などの治療でなくても、虫歯になる前からの予防歯科の治療もおこなわれています。
磨き残しがあるかどうかのチェックであったり、歯磨きの方法を見てもらうことで虫歯を予防することに役立ちます。予防歯科では、医師に歯のチェックや歯磨きの方法を見てもらう他にも、歯石除去が行われることになります。食べかすや唾液の汚れが積み重なることによって石のようにかたくなってしまうことがあり、この歯石となった状態は自分で取り除くのは難しくなります。歯の表面のエナメル質を傷つけずに処理するためには歯科クリニックの専用の機材で優しくきれいに取り除いてもらう必要があります。
虫歯に気を付けていても、うっかり転んでしまったり物にぶつかってしまったことで前歯が欠けてしまうというトラブルもあります。欠けたままの前歯は見た目にも恥ずかしいことになり、もとの形に戻すためにも歯科クリニックで差し歯を作ってもらう必要が出てきます。差し歯の治療は、まだ根元が残っている状態であればそこに被せてもらうだけです。保険適用内の治療で実質的な出費も安く済ませることができるのですが、できあがってみたら自分の歯の色とちょっと違っていて違和感が出てしまうことがあります。
奥の方の歯であればあまり見えないものの、前歯となると笑顔も不自然に感じられてしまうことにもなりますが、自由診療で美しい仕上がりの差し歯にしてもらうこともできます。自由診療は、保険適用外で全額自己負担となるのですが、それでも自分の歯であったかのような美しい仕上がりを手に入れることができます。高額な治療費がかかってしまいますが、いきなりその日に治療が行われることがないのでお金の心配はありません。支払方法は、一括払いの他にもクレジットカード払いやローンで申し込む方法も用意されています。
まずは治療を開始してもらい、支払いは後から計画的に払うこともできます。前歯が欠けてしまったという場合、物にぶつかった衝撃で歯には縦にひびが入ってしまったり、歯根から折れてしまったという状態になると歯根を活かして被せものをすることはできなくなります。土台となる歯がない場合には、何か代わりとなる土台を見つけなければならないことになります。差し歯での治療を希望しているのであれば、ブリッジをかけるという治療方法があります。
土台となるのは、失った歯の左右に生えている2本の歯になります。土台となれるような健康な歯であることが第一条件となりますが、虫歯にもなったことがないという健康な歯であっても被せるためには削られることになってしまいます。両隣の歯を小さく削り、失った歯と合わせて計3本分の差し歯を作ることになります。ブリッジは、失った歯が2本の場合でも受けることができるのですが、それ以上の本数になると土台となる2本の歯にも大きな負担が出ることからできません。
1本または連続する2本の歯であれば、入れ歯にしなくても差し歯で済ませることができ、取り外すことがないのでお手入れの面を考えてみても楽な方法となります。しかし、土台となる歯が虫歯や歯周病になって土台となれなくなった場合には、ブリッジもそこまでとなってしまいます。歯根から歯を失ってしまった時、差し歯で健康な歯を2本も失うことには抵抗があるという人もいるでしょう。自分の歯は1本でも多く残したいものであり、ブリッジの土台となれば負担が大きくなって歯を根元から失ってしまう可能性も高くなってしまいます。
他の歯にダメージを与えずに失った歯を取り戻したいという場合には、インプラント治療が向いています。インプラントは、他の歯に負担をかけることなく一本で独立させた歯にすることができます。土台となる歯根は人工的に作ることになり、チタンなどの金属で代用します。この人工歯根は、歯があった場所の奥にあるあごの骨に埋め込むことになります。
大掛かりな外科手術となるので、血液検査やさまざまな種類のレントゲン写真を撮影し、その人の骨の状態をみてインプラント治療が可能かどうかの判断が下されることになります。インプラント治療をしても安全であると医師に判断されたら、人工歯根を埋め込む手術となります。人工歯根の金属が骨にしっかりと定着をしたら、その上から人工歯を被せて完成となります。しかし、完成した後でも歯周病にかからないように定期的に歯科クリニックに通ってメンテナンスを受けることは欠かせません。
インプラント治療は、虫歯の治療を行っているような一般の歯科クリニックでも行われていることもあるのですが、インプラントだけを行っている歯科クリニックもあります。どのクリニックで治療を受けるかを考えている時には、これからずっと自分の歯の面倒を見てもらえるような信頼のできる医師がいるクリニックかどうかが重要になってきます。インプラント治療は、人工歯根を埋めて人工歯を乗せてしまえば安心してしまいがちです。人工なので虫歯になることもないのですが、歯石が付着して不衛生な状態になったり、歯茎が歯周病になってしまえばまた歯を根元から失うことにもなりかねません。
インプラント治療が終わった後でも、アフターフォロー体制が整っているクリニックを選ぶことも必要です。また、インプラントは近年の新しい歯科治療の方法でもあるので、クリニックによってはまだ患者さんに治療を施した経験が浅いということもあります。腕が良いと言われている医師であっても得意分野はさまざまであり、インプラントにおいてはどうなのか、どのくらいの症例を経験している医師なのかも知っておく必要があります。経験豊富ということは、さまざまなケースに合わせて治療方法を変えてもらうこともできるからです。
インプラントは、前歯に入れても自然な見栄えがあり、りんごを丸ごとかぶりついて食べることができるような強度までありますが、入れる本数が増えるごとに大きな治療となってきます。骨に金属を埋め込むという手術は肉体的にも精神的にも負担が大きいため、高齢の人になると体力の消耗からインプラント治療を断念してしまうこともあります。しかし、オールオンフォーであれば自分の歯を全て失った総入れ歯の人にも役立つことになります。オールオンフォーは、4つのインプラントだけで上または下の歯を全部カバーするというインプラント治療になります。
上もしくは下のどちらか片方だけでも、全部の歯がないとなると快適な食生活のためには12本程度の歯が必要になり、12本の人工歯根の埋め込みは大きな手術となってしまいます。しかし、4本だけであれば手術も軽くなり、さらに費用の面でも安くなるというメリットを持っています。オールオンフォーで入れる4本の人工歯根は、もともと歯があった場所に限定されることがありません。あごの骨の状態をみながらその人にとって安定性が良い場所を選んで入れることができるので、しっかりと固定されて自分の歯のように快適に過ごすことができるようになります。