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歯周病と歯科医の関係

子供の頃、学校では1年に一回くらいは歯の定期診断というものがありました。しかし、大人になると、虫歯の治療などの目的がなくて定期検診だけを受けに歯科医を訪れる人はあまりいません。接客業など人に接する機会の多い人でも、そこまでしているとは聞いたことがありません。ところが、欧米では定期的に歯の検診を受けるのは当たり前のことになっています。

そして、このときに歯石を取り除いてもらったり、歯周病など普段気づかない歯の病気を見つけてもらうのです。歯周病というものが深刻な病気であるという認識が行き届いているのです。歯周病という歯の病気は、日本にいてもテレビや雑誌などのメディアを通してよく耳にします。しかし、かかっていれば歯茎が腫れてきたり歯がぐらついたりするはずなので、自分には関係のない病気だろうとたいていの人は思っています。

ところが、日本人の大人はかなり高い確率でこの歯周病にかかっているとされているのです。そして、きちんと定期検診を受けていないため、気づく頃には痛みが出たり腫れたりして、かなり悪化してしまっているとも言われています。悪化するまでは痛みなどもあまりなく、見た目もあまり変わらないため、虫歯の治療などで歯科医院を訪れたとき、そこで指摘されて初めて知るといった経緯のようです。歯科医を虫歯の治療で訪れて、そこで歯周病であると見つけてもらうのはまだ良いほうです。

この歯周病、最初のうちは痛みもなく静かに進行するので、気づくのが遅すぎると、最終的には抜歯するしかなくなってしまうのです。歯周病は自覚症状の少ない病気で、その原因は歯磨きの仕方にあるとされています。歯の隙間などもきちんと時間をかけて磨いていないと、そこに溜まったものが原因となって、この病気を作ってしまうのです。歯周病は、まず歯の根元周りの歯茎の締まりが悪くなることからはじまります。

歯をきれいに磨くと歯の締まりもよくなるので、歯周病菌が入る隙間がなくなってしまいます。歯の周りの歯茎の締まりが悪くなると、次に、歯磨きをしていると、歯と歯茎のあいだの溝の部分から出血が見られるようになります。歯茎の炎症もたまに見られるようになります。これらのことをそのまま放置しておくと、歯と歯茎のあいだの溝が次第に広がってしまい、歯周ポケットと呼ばれる深い溝が形成されてしまうのです。

この歯周ポケットはいろいろなものが溜まりやすくなっています。たとえば、歯磨きの際に磨き残された歯垢がこびりついたままになって、歯石やプラークになってしまいます。そして、歯周病菌が繁殖しやすい格好の場所になってしまうのです。歯石やプラークが歯の根元にこびりついたままになって、活動しやすい場を得た歯周病菌は、活発に活動していき、最終的には歯茎を支えている骨を溶かすまでになってしまいます。

こうなると、歯も根元から抜かなければならなくなるのです。歯周病は、一緒に歯肉炎なども起こすことがあり、周辺の歯茎に膿がたまって悪臭を放つようなことも少なくありません。歯周病があまりに進行してしまうと、治療そのものも難しくなり、完治を諦めざるを得なくなります。つまりは抜歯するしかなくなるのです。

歯周病の治療を得意としている専門の歯科医は、二つのことに力を入れていると言っています。一つは、歯周病菌がつきにくくするよう、予防面から口腔の環境を徹底してつくっていくことです。そしてもう一つが、歯周ポケットや歯茎についてしまった歯周病菌を徹底的に駆除することです。歯周病は、歯周病菌という細菌に感染されることで発症します。

もともと口の中には多くの細菌がいますが、その一つの歯周病菌が直接の原因を作るのです。歯周病菌は、口の中が清潔な状態であれば活動することはありません。そして、乾燥していても、その働きは鈍くなります。歯科医は、予防面ではこの二つに注目して治療を進めます。

歯科医は、歯周病の予防として、正しい歯磨きの仕方をアドバイスし、歯周病菌が潜みやすくなっている歯石や虫歯治療で処理した詰め物の部分を丁寧に洗浄していきます。歯周病の予防ということでは、その一環として、定期検診のときに歯石の除去が行われますが、この歯石の除去は、歯をつるつるのきれいな状態にするというのが本来の目的ではありません。歯石という歯周病のつきやすい環境をきれいにしていると考えなければならないのです。歯周病予防の次に行われるのは、歯周病にならない口腔の環境作りです。

歯周病菌の徹底した除去が行われます。歯磨きがうまくできていなかったりすれば、歯周病菌は生き残って、歯石やプラークを作って自分たちの棲みやすい環境にしてしまいます。歯石やプラークが歯周ポケットから取り除かれないで残ったままになっていると、歯科医でもだんだん取り難くなります。歯周病も治療しにくくなるのです。

歯石やプラークの除去には、一般には最初にクリーニングと呼ばれる方法が使われます。しかし、これだけで済まないときは、歯肉の部分を切り開いて、歯周ポケットの中の様子が目に見えるような状態にして、歯周病菌を取り除いていきます。さらには歯茎の中に潜んでいる歯周病菌も除去されていきます。この治療は、専門治療になりSRPと呼ばれています。

SRPは、歯周病治療のメインとなる治療といえます。この治療は、ほぼ手探りのような状態で治療が進められるので、たいへん高い技術を要するものです。そして、手間と時間のかかる治療ともなっています。こうした後に歯周ポケットを浅くして、歯周病菌が繁殖する環境をなくしていく治療が行われていきます。

この段階になると、歯石やプラークを取り除いて歯周病菌がつかなくするだけでは歯を元の状態に戻すことはできなくなっています。歯を支える骨までも溶けてしまっていることがあるからです。歯茎を支える骨までもが溶けてしまっていると、次に骨を再生させる治療を行わなければなりません。これは、溶けた骨の表面の汚れをきれいに取り除いて、再生のための薬品を注入していくといった方法がとれられます。

ただし、溶けた骨全部が再生できるというわけではありません。多少個人差もあります。骨の再生は比較的速くできるのですが、この間に歯磨きを怠ったりして口の中を清潔にしておくのを忘れていると、治療の成果は出にくくなってしまいます。歯周病にならないようにするには、予防は不可欠です。

丁寧な歯磨き励行と歯科医での定期的なクリーニングの実施ということにつきるのです。歯周病菌が活動する隙を与えないということが最善の方法です。歯周病によって歯茎を支えている骨が溶けてしまうと、1本の歯では噛むときの圧力に耐えられなくなっています。そうしたときに必要になるのが歯の補強です。

つまり、入れ歯やインプラントといったものを製作してもらい、それらに頼らざるを得なくなります。そのため、歯科医での入れ歯やインプラント治療というのは、歯周病治療の延長にあるとの考えがあります。ここでは、残っている歯にいかに負担をかけないようにするかがポイントになります。ただ、歯に負担をかけないようにするには、入れ歯やインプラントなどには品質を求めていかなければならず、それだけ経済的な負担のほうが大きくなります。

というのも、健康保険の適用に限界があるためです。そこで、歯科医と相談のうえ、現時点で最善と思われる処置をするようにしなければなりません。再度同じことが繰り返されないよう、一度でしっかりした治療にしなければならないのです。歯周病菌をまったくない状態にするのは不可能とされています。

だから、歯磨きは以前よりも丁寧に行っていかなければなりません。入れ歯やインプラントの具合チェックのために定期検診を受け、同時に歯石もチェックして、必要ならば除去してもらい、それを恒常化するようにしましょう。

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